症例
妊娠高血圧症候群の急性増悪により周産期心筋症に至った1例
渋井 亮介
1
,
清水 久美子
,
大塚 聡代
,
馬場 七織
,
佐藤 史郎
,
西川 裕子
,
山ノ内 美紀
,
杉田 達哉
,
小幡 新太郎
1成田赤十字病院 産婦人科
キーワード:
Furosemide
,
Nitroglycerin
,
胸部X線診断
,
心筋疾患
,
帝王切開術
,
妊娠高血圧症候群
,
肺水腫
,
母性年齢35歳以上
,
Carperitide
,
緊急手術
,
臨床的増悪
Keyword:
Furosemide
,
Cardiomyopathies
,
Nitroglycerin
,
Cesarean Section
,
Clinical Deterioration
,
Radiography, Thoracic
,
Pulmonary Edema
,
Hypertension, Pregnancy-Induced
,
NPPA Protein, Human
pp.734-737
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020274127
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症例は36歳女性で、妊娠中期より健診時血圧130/90台で経過したため、家庭内血圧測定を開始し正常域で経過していた。妊娠26週1日時の健診で血圧上昇と全身浮腫を認めたため、管理入院となった。メチルドパ内服による降圧管理を開始し、血圧138/82mmHgと正常域で安定したが、26週5日より呼吸困難が出現、心疾患の既往がないことから周産期心筋症の診断となった。27週0日よりベタメタゾンを投与したが、肺水腫を呈したため緊急帝王切開による妊娠終了を決定した。早産極低出生体重児のためNICU管理とし、母体は術後全身管理のためにICU入室となった。ICU入室後は陽圧換気を行いながらカルペリチド、ニトログリセリンとフロセミドを投与し、呼吸・循環管理を行った。術後9ヵ月経過し、心機能再評価時にはLVEF 53%と中等度の左室壁運動低下を認め心機能低下は改善していない。
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