胎盤絨毛血管腫に血栓性閉塞を生じ、胎児心不全を認めた一例

症例は在胎20週5日より胎盤に血流を伴う腫瘤を認めたため当院へ紹介となった。胎盤絨毛血管腫として経過観察したところ、腫瘍は7×3cmから8.2×6.5cmに増大し、血栓性閉塞を生じ、胎児心不全を認めたことから、在胎35週0日に緊急帝王切開で2588gの女児を娩出した。児は出生直後よりチアノーゼ、全身浮腫が認められ、NICUに入室後、経鼻式持続陽圧換気とハイドロコルチゾンの単回投与、フロセミドの投与が行なわれた。その結果、治療により呼吸状態、心機能、浮腫は改善し、頭部MRIおよびABRでも異常はみられず、日齢42に退院となった。