心不全予防 その最前線を探る
急性心不全の現状 予防的観点からみた急性期医療とは?
安村 良男
1
1国立病院機構大阪医療センター 循環器科
キーワード:
高血圧
,
充血
,
ショック-心原性
,
心筋疾患
,
心不全
,
肺水腫
,
分類
,
Carperitide
,
血行力学
,
ナトリウム利尿ペプチド
,
Cyclic Nucleotide Phosphodiesterases Type 3
Keyword:
Classification
,
Hyperemia
,
Heart Failure
,
Hemodynamics
,
Hypertension
,
Cardiomyopathies
,
Pulmonary Edema
,
Shock, Cardiogenic
,
Natriuretic Peptides
,
Cyclic Nucleotide Phosphodiesterases, Type 3
,
NPPA Protein, Human
pp.392-398
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007177242
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従来、急性心不全の治療は血行動態の改善を治療目標としてきた。急性心不全そのものが心室のリモデリングの引き金をひいている可能性が高いこと、腎機能の悪化をもたらすことがわかってきた。血行動態の改善は神経体液性因子の亢進を改善するが、強心薬や利尿薬は血行動態を改善する一方で臓器障害性に作用する可能性もある。このような背景から、急性心不全の急性期からすでに予後の改善を目指した治療が望ましいと考えられるようになってきた。ナトリウム利尿ペプチドは血行動態の改善作用のみならず臓器保護作用をもち、急性心不全の病態に則した治療薬といえる。近年、急性心不全治療において予後改善を踏まえた最適な治療法の検討がはじまっている。
©Nankodo Co., Ltd., 2007