研究
当科における妊娠23週出生児の妊娠経過と児の予後
柏木 葉月
1
,
石岡 伸一
,
黒田 敬史
,
水内 将人
,
馬場 剛
,
五十嵐 リサ
,
小林 正樹
,
斎藤 豪
1札幌医科大学 産科周産期科
キーワード:
Apgarスコア
,
絨毛膜羊膜炎
,
新生児疾患
,
帝王切開術
,
妊娠中期
,
自然分娩
,
予後
,
後向き研究
,
Kaplan-Meier法
,
超早産児
Keyword:
Natural Childbirth
,
Infant, Newborn, Diseases
,
Prognosis
,
Retrospective Studies
,
Chorioamnionitis
,
Cesarean Section
,
Pregnancy Trimester, Second
,
Apgar Score
,
Infant, Extremely Premature
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.273-277
発行日 2020年2月10日
Published Date 2020/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020197218
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2011年4月~2017年8月に当科で管理した妊娠23週で分娩となった症例につき、その妊娠・分娩経過と児の予後を妊娠24週での分娩と比較検討した。上記期間内に当科で管理した分娩は2197例で、そのうち妊娠23週で分娩となった10症例と妊娠24週で分娩となった6症例を対象とした。母体年齢の平均値は34歳(22~40歳)、初産は6例であった。当科入院の理由で最も多かったのは子宮頸管長短縮~胎胞脱出(6例)、入院理由で最も多かったのは早産期前期破水であった。入院後の分娩までの日数は、妊娠23週分娩症例では中央値9.5日(0~45日)、妊娠24週分娩症例でも同様に中央値9.5日(0~42日)であった。分娩後の胎盤病理検査では、絨毛膜羊膜炎の所見を認めたのは23週分娩症例で6例(60%)、24週分娩症例で5例(83%)であった。出生児は、妊娠23週分娩症例で体重中央値585g(382~696g)、Apgarスコア(1分/5分)は中央値2(1~8)/4(2~8)、妊娠24週分娩症例で体重中央値621g(600~738g)、Apgarスコア(1分/5分)は中央値2(1~7)/2(2~7)であった。妊娠23週出生児全例で、出生後未熟性に伴うさまざまな合併症を呈した。一方、妊娠24週出生児も同様に全症例がさまざまな合併症を呈した。Kaplan-Meier法による検討では妊娠23週と24週出生児の間で生存率に有意差は認めなかった。
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