研究
早期産前期破水の破水期間が妊娠アウトカムに及ぼす影響
吉里 倫
1
,
管谷 愛美
,
穴見 愛
,
古賀 寛史
1国立病院機構別府医療センター 小児科
キーワード:
絨毛膜羊膜炎
,
新生児疾患
,
前期破水
,
妊娠後期
,
妊娠中期
,
時間因子
,
後向き研究
,
妊娠転帰
,
全身性炎症反応症候群
Keyword:
Infant, Newborn, Diseases
,
Fetal Membranes, Premature Rupture
,
Retrospective Studies
,
Chorioamnionitis
,
Systemic Inflammatory Response Syndrome
,
Pregnancy Trimester, Second
,
Pregnancy Trimester, Third
,
Pregnancy Outcome
,
Time Factors
pp.1281-1286
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2019396279
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
早期産前期破水における適切な分娩時期を明らかにする目的で、破水期間と妊娠アウトカムの関連について検討した。2010~2017年に当院で分娩に至った母体と単胎児の各69例を対象とした。臨床的絨毛膜羊膜炎(CAM)を7例(10%)、組織学的CAMを8例(12%)、児の全身性炎症反応症候群を4例(5.8%)、児血液培養陽性を1例(1.4%)で確認した。前期破水後の娩出時期(妊娠27~33週、妊娠34~36週)による2群で母児の臨床情報と評価項目を比較した結果、母体に関しては妊娠27~33週の娩出群で前期破水を生じた妊娠週数が早く、分娩前ベタメタゾン投与・塩酸リトドリン投与が多く、破水-分娩期間が長かった。児に関しては在胎27~33週の出生群で出生体重が小さく、Apgarスコア1分値が低く、酸素投与・経鼻的陽圧換気・気管挿管を要する割合が高かった。妊娠27~33週の娩出群は破水-分娩期間が72時間超で、妊娠34~36週の娩出群は破水-分娩期間が24時間および72時間を超えると組織学的CAMが有意に増加していた。
Copyright© 2019 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.