特集 周産期相談310 お母さんへの回答マニュアル 第3版
産科編 分娩 産科医療補償制度について教えてください
藤森 敬也
1
1福島県立医科大学医学部産科婦人科講座
キーワード:
脳性麻痺
,
産科医療補償制度
Keyword:
Cerebral Palsy
pp.328-330
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020088363
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<回答のポイント>1)安心して産科医療を受けられる環境整備の一環として、脳性麻痺となってしまった新生児やその家族に対して、一定の補償を与える無過失補償制度である。2)目的は、(1)分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児とその家族の経済的負担を速やかに補償すること、(2)脳性麻痺発症の原因分析を行い、同じような事例の再発防止に資する情報を提供すること、(3)これらにより、紛争の防止・早期解決および産科医療の質の向上を図ること、である。3)補償対象は、本制度の加入分娩機関で出生した新生児で、(1)出生体重1,400g以上かつ在胎週数32週以上、(在胎週数28週以上32週未満は個別審査)、(2)先天性や新生児期などの要因によらない脳性麻痺、(3)身体障害者手帳1・2級相当の脳性麻痺、である。4)掛け金は16,000円/1分娩(胎児)であり、補償金額は準備一時金として600万円、分割金として毎年120万円を20回(年)、総額3,000万円の補償金が支払われる。5)「原因分析報告書」がご家族と分娩機関へ送付され、また「再発防止に関する報告書」が毎年発刊されている。
Copyright© 2019 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.