特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
X.血液系
1.出血傾向のための検査
血小板減少と臨床検査
藤巻 道男
1
1東医大臨床病理
pp.1376-1379
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204318
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
血小板の止血機構
血小板は止血機構において,血漿凝固因子と密接な関係をもち,中心的な役割を果たしていることは,多くの研究者によって認められているところである.
血小板は多岐にわたる機能を示し,血管が損傷されて膠原線維が露出するとそこに血小板は粘着し,粘着した血小板はADPを放出し他の血小板と凝集して血小板血栓を形成する.このさい血小板は形態的な変化を示すと同時に凝固活性を有する物質(主として血小板第3因子)を放出し,血漿凝固因子とともに線維素を形成して凝固血栓の形成を促進する.凝固血栓が形成され止血が完了すると,血栓が拡大するのを防ぐために血餅収縮が起こり,トロンビンを吸着して抗トロンビンが作用し,生成されたトロンビンを不活性化する.この血餅収縮および抗トロンビンの活性化にも血小板の存在が必要である.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.