特集 血液疾患の検査診断の進歩
5.WHO分類2017改訂のポイント -悪性リンパ腫と骨髄腫を中心に-
伊豆津宏二
1
Koji Izutsu
1
1国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科長
pp.355-363
発行日 2019年2月28日
Published Date 2019/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201903355
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WHO分類2017年版では,リンパ系腫瘍の分類の枠組みに大きな改訂はなかった。しかし,各病型に特徴的な遺伝子の異常が多数新たに記載されたことは特記すべきである。このうち,原発性マクログロブリン血症におけるMYD88 L265P,ヘアリー細胞白血病におけるBRAF V600Eは診断的意義が高い。また,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の細胞起源による亜分類や,fluorescence in situ hybridization法によるMYCやBCL2,BCL6などの転座の確認など,診断時に推奨される細胞生物学的検査が多く追加された。