特集 骨髄異形成症候群(MDS)の分類・病態・治療と予後の最前線
6.骨髄異形成症候群に対する造血幹細胞移植
石山 謙
1
Ken Ishiyama
1
1金沢大学附属病院 血液内科 講師
pp.1739-1750
発行日 2018年11月30日
Published Date 2018/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018121739
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骨髄異形成症候群(MDS)に対する根治療法は同種造血幹細胞移植のみであるが,高齢者に多い疾患であるため,その適応は限られている。しかし近年,移植年齢の上限は徐々に引き上げられており,移植を検討すべき症例は増加傾向にあると思われる。そのため,移植可否の見極めはより重要になると考えられる。また,移植までの橋渡し治療は確立していないが,DNAメチル化阻害薬の上市により,これまでの治療選択は再考の余地がある。また,MDSでは遺伝子変異が高頻度で認められるが,特定の遺伝子変異を持つ症例においては,前処置強度が移植成績に及ぼす影響も近年報告されており,今後は考慮すべきかもしれない。