特集 骨髄異形成症候群(MDS)の分類・病態・治療と予後の最前線
1.骨髄異形成症候群のWHO2017分類について
糸永英弘
1
Hidehiro Itonaga
1
1長崎大学病院 血液内科 助教
pp.1691-1698
発行日 2018年11月30日
Published Date 2018/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018121691
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2017年にWHO分類第4版改訂が発表された。近年の骨髄異形成症候群(MDS)に関する知見の蓄積を踏まえて,病型分類についても変更が行われた。その中では,異形成や骨髄芽球比率などの形態学的特徴を重視する名称の変更とともに,SF3B1遺伝子変異に基づく環状鉄芽球を伴う低リスクMDSや第5染色体長腕欠失を伴うMDSの定義の見直しが行われた。また,骨髄芽球比率を算出する上での赤芽球比率の取り扱いの変更や,MDSを診断する際に生殖細胞系列に遺伝子変異を有する骨髄性腫瘍を鑑別する必要性を強調している。