今月の主題 検査異常から考える血液疾患
血液疾患・病態へのアプローチ
赤血球の異常
先天性赤血球異常
藤井 寿一
1
1東京女子医科大学中央検査部輸血科
pp.619-622
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905986
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●溶血性貧血とは,赤血球崩壊が亢進した結果生じる貧血の総称である.病因により遺伝性と後天性に分けられるが,遺伝性溶血性貧血には赤血球膜,赤血球酵素ならびにヘモグロビンの異常によるものがある.
●赤血球膜異常症はスペクトリン,バンド3,アンキリン,バンド4.1,バンド4.2などの細胞骨格を構成する膜蛋白,赤血球酵素異常症はG6PDやPKなどの責任酵素,ヘモグロビン異常症はグロビン鎖をコードしている遺伝子の種々の分子異常による.
●慢性溶血性貧血では,赤血球産生亢進に伴い葉酸の需要が高まるので,葉酸(フォリアミン®)の少量投与(1mg/日)は理に適っている.
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