Topics「身近な話題・世界の話題」(164)
ヘモグロビン異常症に対する造血幹細胞遺伝子治療 -βサラセミア,鎌状赤血球症-
小野寺雅史
1
Masafumi Onodera
1
1国立成育医療研究センター 成育遺伝研究部 部長
pp.768-775
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201805768
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重度の貧血を伴うヘモグロビン異常症は生涯にわたり輸血が必要であり,また,鎌状赤血球症等の異常ヘモグロビン症では毛細血管が閉塞することで疼痛や臓器障害が出現する。一方,治療に関して造血幹細胞移植は根治療法となり得るが,死亡率が高く,通常は適応とならない。これに対し,近年,治療遺伝子を導入した自身の造血幹細胞を患者に投与する造血幹細胞遺伝子治療が数多く行われ,その安全性と有効性が臨床の場で証明されている。