Topics「身近な話題・世界の話題」(165)
急性骨髄性白血病(AML)に対する変異IDH2阻害薬
水田秀一
1
Shuichi Mizuta
1
1金沢医科大学 血液免疫内科 教授
pp.1224-1228
発行日 2017年7月30日
Published Date 2017/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018081224
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変異IDHは,α-ケトグルタル酸を異常な代謝産物であるR-2-ヒドロキシグルタル酸(R-2-HG)に変換することで造血幹細胞の分化障害を促す。変異IDH2選択的阻害薬であるenasidenibによるIDH2変異体を有する再発・難治AML を対象としたphase1/2試験では,単剤の奏効率が40.3%,完全寛解率は19.3%であった。投与例にはR-2-HGの発現抑制と白血病芽球の分化が認められ,今後新規分化誘導薬として期待される。