特集 原発性マクログロブリン血症
2.疾患の遺伝子異常と耐性機序 -MYD88とCXCR4-
三嶋雄二
1
Yuji Mishima
1
1公益財団法人がん研究会 がん化学療法センター/Dept. of Medical Oncology, Dana-Farber Cancer Institute
pp.1177-1183
発行日 2017年7月30日
Published Date 2017/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018081177
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ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)は,骨髄におけるリンパ形質性細胞の増殖およびモノクローナルな免疫グロブリンM(IgM)の高ガンマグロブリン血症を特徴とするリンパ球増殖性障害である。最近,WM患者においてmyeloid differentiation primary response 88(MYD88)およびC-X-Cケモカイン受容体4型(CXCR4)の2つの遺伝子に体細胞突然変異が発見されたことにより,この疾患の生理病理学の理解が大きく前進した。本稿では,WMにおけるこの2つの遺伝子の体細胞変異の病理学について,我々のグループのデータも含めて概説する。