特集 原発性マクログロブリン血症
1.疾患の歴史,病態,特徴,症状と検査所見
東ヶ崎絵美
1
,
中世古知昭
2
Emi Togasaki
1
,
Chiaki Nakaseko
2
1国際医療福祉大学三田病院 血液内科/国際医療福祉大学 医学部 血液内科学 助教
2国際医療福祉大学三田病院 血液内科/国際医療福祉大学 医学部 血液内科学 主任教授
pp.1169-1175
発行日 2017年7月30日
Published Date 2017/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018081169
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原発性マクログロブリン血症はWaldenström's macroglobulinemiaとも呼ばれ,著明な単クローン性のIgM増加を伴う成熟Bリンパ系腫瘍である。貧血,血小板減少とともに,巨大分子であるIgMの増加により特徴的な過粘稠度症候群に加え,クリオグロブリン血症や寒冷凝集素症,抗MAG抗体や抗GM1抗体などによる末梢神経障害,アミロイドーシスなどにより多彩な臨床症状を呈する。近年,本疾患にMYD88変異の頻度が高いことが明らかとなり,病態解明と新規治療薬の開発が急速に進んでいる。