連載 臨床現場で本当に必要な薬のおはなし 教員も学生も知っておきたい「看護薬理」・8
5-FUの歴史と薬理作用の特徴
大井 一弥
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1鈴鹿医療科学大学薬学部 臨床薬理学研究室
pp.230-235
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202234
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はじめに
5-フルオロウラシル(以下、5-FU)はピリミジン骨格を有し、ピリミジン代謝拮抗薬に分類される、世界的に使用頻度の高い抗がん薬です。図1に示すように、核酸塩基であるウラシルの5位の水素がフッ素に置換された化合物です。
1956年にHeidelbergerらにより合成され、すでに60年以上が経過している抗がん薬にもかかわらず、5-FUは現在も消化器系がんを中心に使用されています。
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