特集 白血病幹細胞
2.リンパ系腫瘍幹細胞
日下部学
1
,
坂田(柳元)麻実子
2
Manabu Kusakabe
1
,
Mamiko Sakata-Yanagimoto
2
1筑波大学 医学医療系 血液内科 講師
2筑波大学 医学医療系 血液内科 准教授
pp.851-858
発行日 2018年5月30日
Published Date 2018/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201806851
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ヒト急性骨髄性白血病幹細胞の存在が免疫不全マウスを用いた実験系により明らかとなった。リンパ系腫瘍幹細胞を同定するために同様の解析が精力的に行われている。近年,次世代シーケンス技術を利用し疾患を特徴づける遺伝子変異が次々と解明された。疾患を特徴づける遺伝子変異がどの分画に存在するかなどの報告が相次いでいる。一方,シーケンス結果での変異アレル頻度の違いや非腫瘍血液細胞と腫瘍細胞との比較から,異種移植の実験系では証明されていないものの,リンパ系腫瘍における前リンパ腫細胞というべき変異を有する細胞の存在が示唆されている。