特集 造血器腫瘍のゲノム解析
7.末梢性T細胞リンパ腫のゲノム異常
坂田(柳元)麻実子
1
,
榎並輝和
2
Mamiko Sakata-Yanagimoto
1
,
Terukazu Enami
2
1筑波大学 医学医療系 血液内科 准教授
2筑波大学 医学医療系 血液内科 大学院博士課程
pp.73-79
発行日 2013年12月30日
Published Date 2013/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201401073
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悪性リンパ腫とは,リンパ球のがんである。このうち,末梢性T細胞リンパ腫(Peripheral T cell lymphoma:PTCL)とは,成熟Tリンパ球を正常カウンターパートとする悪性リンパ腫のことをいう。PTCLは複数の組織型に分かれるが,いずれもアグレッシブな経過をとり,極めて難治性である。PTCLはB細胞リンパ腫と比較して病態解明が遅れていたが,最近のゲノム解析技術の進歩により,PTCLに特徴的なゲノム異常が次第に明らかになってきた。本項では,PTCLのゲノム異常に関する最近の知見について紹介する。