特集 白血病幹細胞
1.急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)幹細胞
合山進
1
Susumu Goyama
1
1東京大学医科学研究所 細胞療法分野 准教授
pp.843-850
発行日 2018年5月30日
Published Date 2018/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201806843
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
白血病細胞の中に幹細胞様の特殊な細胞が存在するという「白血病幹細胞」仮説は,白血病の発症や再発の原因として約20年間に渡って注目を集めてきた。白血病幹細胞という概念が広まるきっかけとなったのは,急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)細胞を免疫不全マウスに移植したJohn Dickらの論文である。以来,AML幹細胞に関する多数の論文が発表され,多くの知見が集積されてきた。本稿ではこれまでのAML幹細胞研究を振り返り,白血病幹細胞とは何か,その本態について考察する。