特集 移植片対宿主病(GVHD)-病態解明と治療法の進歩-
2.移植片対宿主病(GVHD)の診断と治療法の進歩3)移植片対宿主病(GVHD)の臨床試験における新しいエンドポイント
稲本賢弘
1
Yoshihiro Inamoto
1
1国立がん研究センター中央病院 造血幹細胞移植科
pp.537-542
発行日 2018年3月30日
Published Date 2018/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201804537
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移植片対宿主病(GVHD)に関する臨床試験において,適切なエンドポイントを定義するのは意外に難しい。急性および慢性GVHDの診断基準と重症度評価に関する国際基準が確立したことで,GVHDの臨床試験における適切なエンドポイントが近年かなり明確になってきた。GVHD予防試験と治療試験の両方において,臨床意義の高い複合エンドポイントが開発され,臨床試験結果の解釈に大きく役立っている。本稿では,このような新しいエンドポイントをGVHD予防,急性GVHD治療,慢性GVHD治療に分けて概説する。より優れた薬剤が近い将来,明らかになることが期待される。