特集 移植片対宿主病(GVHD)-病態解明と治療法の進歩-
2.移植片対宿主病(GVHD)の診断と治療法の進歩4)臨床現場における移植片対宿主病(GVHD)診断と治療の標準化
佐藤貴彦
1
,
熱田由子
2
Takahiko Sato
1
,
Yoshiko Atsuta
2
1日本赤十字社 名古屋第一赤十字病院 血液内科
2日本造血細胞移植データセンター
pp.543-550
発行日 2018年3月30日
Published Date 2018/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201804543
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慢性GVHDは同種造血幹細胞移植後非再発死亡の主要な原因の一つであり,適切な診断と治療介入が重要となる。しかしながら,その診断・治療・効果判定の多くは,数々の制約の中で一般外来診療として行われている。慢性GVHD罹患患者数は,今後も増加することが予想されており,さらには新規治療の開発に伴って治療の選択肢も増える見込みである。誰もが適切な慢性GVHDの診療を行うためには,診断,評価および治療の質の担保と標準化が必須と考えられる。名古屋第一赤十字病院では独自に包括的慢性GVHDユニットを開設し,本邦の慢性GVHD診療における課題の克服に努めている。