特集 移植片対宿主病(GVHD)-病態解明と治療法の進歩-
1.移植片対宿主病(GVHD)の病態解明3)移植片対宿主病(GVHD)におけるバイオマーカー
東梅友美
1
Tomomi Toubai
1
1山形大学医学部 内科学第三講座 血液・細胞治療内科学分野 学部講師
pp.509-518
発行日 2018年3月30日
Published Date 2018/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201804509
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移植片対宿主病(graft-versus-host disease)は急性および慢性型ともに同種幹細胞移植後の重篤な合併症の一つであり,発症した場合には生命予後に関わり,生活の質(quality of life:QOL)を著しく損なうこともある。一般的にカルシニューリン阻害薬と短期メトトレキサートによる発症予防が行われるものの,急性GVHDで40~60%程度,慢性GVHDで30~70%程度発症を認め,他合併症との鑑別が難しい場合もある。GVHDの予後を左右する上で早期診断・治療が極めて重要であることから,診断に有効かつ予後予測可能なバイオマーカーの確立が求められている。本稿では,最近報告された臨床的有用性の高いGVHDバイオマーカーについて解説する。