特集 移植片対宿主病(GVHD)-病態解明と治療法の進歩-
1.移植片対宿主病(GVHD)の病態解明2)移植片対宿主病(GVHD)の病理
伊藤雅文
1
Masafumi Ito
1
1日本赤十字社 名古屋第一赤十字病院 副院長/病理部長
pp.501-507
発行日 2018年3月30日
Published Date 2018/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201804501
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
移植片対宿主病(GVHD)の考え方は,アロ免疫反応によるアポトーシスを基盤とする組織変性から生じる病態である。Lernerらによる基本的診断基準は変更を見ないが,NIHガイドラインでは治療介入の観点から,活動度評価と鑑別診断に重点が置かれている。ガイドラインで示された皮膚,腸管,肝臓の病理所見を中心に,鑑別のポイントについて解説する。今回の改定で,診断カテゴリーがno GVHD, possible, likelyの3段階に集約された。これは病理診断における definiteのカテゴリーが消失したことでもある。GVHD病理診断の問題点と解決策について考察する。