特集 移植片対宿主病(GVHD)-病態解明と治療法の進歩-
2.移植片対宿主病(GVHD)の診断と治療法の進歩2)移植片対宿主病(GVHD)に対する分子標的療法
前田嘉信
1
Yoshinobu Maeda
1
1岡山大学病院 血液・腫瘍・呼吸器内科 教授
pp.525-536
発行日 2018年3月30日
Published Date 2018/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201804525
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移植片対宿主病(GVHD)の病態の理解が深まるに伴い,GVHDに対する治療ターゲットが明らかになりつつある。分子標的薬とは特定の分子を標的として開発された薬剤であり,様々な分子標的薬が急激な勢いで開発されている。従来にない有効性を示す第Ⅱ相試験の結果が報告されており,とくに,これまで有効な治療法のなかった慢性GVHD領域における進歩は目覚ましい。今後は,本来の標的と異なる分子への作用(off-target効果)による副作用とともに,抗腫瘍効果やウイルスなどに対する感染免疫力が低下しないか留意する必要がある。