特集 移植片対宿主病(GVHD)-病態解明と治療法の進歩-
1.移植片対宿主病(GVHD)の病態解明1)移植片対宿主病(GVHD)の病態生理
橋本大吾
1
,
豊嶋崇徳
2
Daigo Hashimoto
1
,
Takanori Teshima
2
1北海道大学大学院医学研究院 血液内科学教室 准教授
2北海道大学大学院医学研究院 血液内科学教室 教授
pp.493-500
発行日 2018年3月30日
Published Date 2018/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201804493
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移植片対宿主病(graft-versus-host disease:acute GVHD)は,同種造血幹細胞移植後の重篤な合併症であり,移植の成功のためにはGVHD対策が必須である。GVHDの予防・治療法は,カルシニューリン阻害剤・ステロイド剤・抗胸腺細胞グロブリンなどが中心となっており,広範な免疫抑制のため,感染症の発症や腫瘍の再発が問題となる。近年,GVHDの病態生理の理解が進み,新規GVHD治療法の開発が急速に進んでいる。本稿では,GVHDの病態生理に関する最近の知見をまとめることとする。