特集 移植片対宿主病(GVHD)-病態解明と治療法の進歩-
2.移植片対宿主病(GVHD)の診断と治療法の進歩1)移植片対宿主病(GVHD)に対する間葉系幹細胞(MSC)の臨床応用
岡田昌也
1
,
小川啓恭
2
Masaya Okada
1
,
Hiroyasu Ogawa
2
1兵庫医科大学 血液内科 講師
2兵庫医科大学 血液内科 主任教授/診療部長
pp.519-524
発行日 2018年3月30日
Published Date 2018/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201804519
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ステロイド抵抗性急性GVHDは予後不良な造血幹細胞移植後合併症であり,標準治療は定まっていない。間葉系幹細胞(MSC)は基礎研究により多彩な免疫調節能をもつことが示されており,臨床研究から感染症や血管障害などのリスクの増大を防ぎつつGVHDを鎮静化する可能性が示唆されている。本邦では平成27年9月に再生医療等製品として承認され,現在,臨床の現場で使用できるようになった。しかし,治験症例数は極めて少数である。今後,至適使用に対するエビデンスを構築する必要がある。