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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ
7章 血液・造血器疾患
血栓性血小板減少性紫斑病
Thrombotic thrombocytopenic purpura(TTP)
久保 政之
1
,
松本 雅則
2
1奈良県立医科大学附属病院呼吸器・アレルギー・血液内科
2奈良県立医科大学附属病院輸血部
pp.508-509
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201987
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血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は,全身の微小血管に血小板血栓が形成されて発症する致死的な疾患であり,血栓性微小血管症(TMA)に分類される.TTPではvon Willebrand因子(VWF)分解酵素(ADAMTS13)活性低下により,超高分子量VWF重合体(UL-VWFM)が切断されずに血液中に残存し,高ずり応力の発生する微小血管で活性化され,血小板血栓を形成する.症状としては血小板減少,溶血性貧血,腎機能障害,発熱,精神神経症状が古典的5徴候として知られている.無治療の場合は90%以上が死亡する極めて予後不良な疾患であったが,血漿交換が導入され80%前後の生存率が得られるようになった.
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