特集 輸血による止血戦略
7.救急領域におけるフィブリノゲン製剤投与の実際と意義
早川峰司
1
Mineji Hayakawa
1
1北海道大学病院 先進急性期医療センター 講師
pp.1153-1161
発行日 2017年7月30日
Published Date 2017/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201708071
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北海道大学病院では2015年4月1日から2017年3月31日の2年間に,443人の患者に対して568回,1,526バイアルのフィブリノゲン製剤が使用されていた。その多くは心臓/大血管手術の周術期投与であった。救急領域の疾患では,外傷症例と心停止蘇生後に多く使用されていた。いずれの症例でも線溶亢進が合併しており,フィブリノゲン値が低下しやすい病態が存在していた。近年,外傷症例に対するフィブリノゲン製剤の投与の有効性が認識されており,国内でも適応症の追加が望まれる。