特集 わが国の血液事業 ~現状と将来展望~
7.血漿分画事業の現状と将来展望
鈴木亨
1
Toru Suzuki
1
1一般社団法人日本血液製剤機構 常務理事・研究開発本部長
pp.705-713
発行日 2017年4月30日
Published Date 2017/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201705069
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血漿分画製剤を含め血液製剤は国内献血に基づく国内自給が必要とされ,血液法の基本理念として規定されているが,現状では製剤の種類によってその自給率は異なっている。その一方で,遺伝子組換え血液凝固第Ⅷ因子製剤が上市されて以降,血液製剤代替医薬品として様々な遺伝子組換え製剤が開発され,遺伝子組換え技術はヒト血漿蛋白質を模倣する段階から,新規な機能や役割を付与する段階へ入っている。このため,血漿分画事業をめぐる環境は大きく変化しているが,その課題解決に向かって諸施策を進めなければならない。