特集 急性骨髄性白血病(AML) -新分類・分子病態・治療-
序 ~急性骨髄性白血病におけるprecision medicineはどこまで到達したか~
大西一功
1
Kazunori Ohnishi
1
1愛知県赤十字血液センター 所長
pp.495-498
発行日 2017年3月30日
Published Date 2017/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201704017
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急性骨髄性白血病(AML)では他の腫瘍に比べ併用化学療法が早くから確立され,JALSGにおいても染色体などの分子基盤に基づく層別化治療が行われ一定の治療成績が得られてきたが,その間の治療成績の向上は十分とは言えなかった。2013年にはAML 200例の網羅的ゲノム解析結果が明らかにされ,それらに基づきリスク分類も更新された。しかし,急性前骨髄球性白血病(APL)を除いた病型についてはAMLの分子標的薬は未だ実用化されていない。現在,種々のゲノム変異に対する新規薬剤の開発が進められており,早期の承認が切望される。