特集 改訂造血器腫瘍WHO分類2016 ~概要と意義~
1.骨髄増殖性腫瘍
幣光太郎
1
Kotaro Shide
1
1宮崎大学医学部 内科学講座消化器血液学分野 助教
pp.357-365
発行日 2017年2月28日
Published Date 2017/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201703021
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第5版を迎えた造血器腫瘍WHO分類の2016年改訂の目玉は,次世代シークエンシング技術により近年飛躍的に増加した遺伝子変異の情報を,診断や予後のマーカーとして組み込んだ点である。骨髄増殖性腫瘍や骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍におけるCSF3R,MPL,CALR,SF3B1,ASXL1変異などはその代表である。また,例えば真性多血症や原発性骨髄線維症の診断基準変更のように,形態学的特徴の整理と標準化により,診断基準の信頼性と再現性の改善が図られた。今後は当分の間,改訂分類が造血器腫瘍の診断と治療に用いられ,同時にその妥当性が検証されていく。