特集 骨髄不全症の最近の進歩
5.低リスク骨髄異形成症候群(MDS)における形態診断の意義と問題点
松田晃
1
Akira Matsuda
1
1埼玉医科大学国際医療センター 造血器腫瘍科 教授
pp.249-257
発行日 2017年1月30日
Published Date 2017/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201702059
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芽球の増加がなく,染色体異常もない場合のMDSの診断の基本は,細胞形態学的評価と他の血球減少症の除外である。しかし,細胞形態学的評価は客観性に欠けるという大きな問題がある。この問題の完全な解決策はないが,国際 MDS 形態ワーキンググループによる細胞形態学的定義の明確化は評価者間の評価不一致を減らし,特発性造血障害に関する調査研究班やイタリアを中心とした多施設共同グループ(Rete Ematologica Lombarda〔REL〕clinical network)による異形成の特異性を考慮した定量的評価法は,MDSの診断確度を高める可能性がある。