特集 加齢と造血
4.老化と骨髄異形成症候群(MDS)
南谷泰仁
1
Yasuhito Nannya
1
1京都大学医学部 腫瘍生物学講座 特定准教授
pp.1585-1591
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018111585
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他の組織と同様,造血器も加齢に伴い変化する。しかし,単なる加齢においてみられる変化は,生体の維持に必要な造血機能を十分保持する範囲内にとどまる。一方,MDSは正常な造血能を保持できない「疾患」であり,加齢変化とは明らかに一線を画している。しかし,加齢とMDSにおいて造血系に生じる変化には程度の差があるものの共通点をもち,加齢変化がMDSを発症する下地を形成しているとすることは無理のない考えである。ここでは,造血器の加齢に伴う変化の特徴と,それがどのようにMDSなど骨髄系腫瘍の発症に関連するかを概説する。