小特集 骨髄線維症(MF) ~分子病態の解明から新規治療薬の開発まで~
1.骨髄線維症の疾患概要と鑑別診断 -WHO新分類をとりいれた診断への提言-
竹中克斗
1
Katsuto Takenaka
1
1九州大学病院 血液・腫瘍内科 講師
pp.105-110
発行日 2016年12月30日
Published Date 2016/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201701105
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原発性骨髄線維症(PMF)は,骨髄増殖性腫瘍の1つで,造血幹細胞レベルで生じたJAK2,CALR遺伝子などの変異により骨髄中で巨核球と顆粒球系細胞がクローナルに増殖し,骨髄の広範な線維化,骨硬化を来す疾患である。WHO 2016による慢性骨髄増殖性腫瘍の分類では,骨髄生検による病理所見の重要性が強調され,PMFでは,前線維化期PMFと線維化期PMFに分けて独立した診断基準が記載されたこと,JAK2,CALR,MPL遺伝子変異の検索が大項目に記載されたことなどが,大きな変更点である。