小特集 骨髄線維症(MF) ~分子病態の解明から新規治療薬の開発まで~
2.骨髄線維症と臓器障害
杉本由香
1
Yuka Sugimoto
1
1三重大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学 助教
pp.111-115
発行日 2016年12月30日
Published Date 2016/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201701111
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骨髄線維症の臓器障害の主な原因として,髄外造血,血栓症,慢性炎症の3つが挙げられる。この3つは互いに関連しており,種々の臓器障害を起こし,骨髄線維症の病態の進展や予後,患者の生活の質(quality of life:QOL)にも大きな影響を与えている。本稿では,これらについての概説と,骨髄線維症による血栓症や炎症性サイトカインの増加が原因であると考えられている臓器障害,なかでも骨髄増殖性腫瘍(myeloproliferative neoplasms:MPN)関連糸球体腎炎について詳述したい。