特集 骨髄増殖性腫瘍
7.骨髄増殖性腫瘍に対する造血幹細胞移植
竹中克斗
1
Katsuto Takenaka
1
1九州大学病院 遺伝子細胞療法部 講師
pp.1041-1048
発行日 2014年6月30日
Published Date 2014/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201407073
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同種造血幹細胞移植は,原発性骨髄線維症の唯一の治癒的治療法ではあるものの,治療関連死亡率も高く,個々の症例においてリスクや長期予後などを考慮し,治療方針を決定する必要がある。予後予測モデルのDIPSSやDIPSSplusで中間-2リスク以上となった場合には,造血幹細胞移植を考慮するべきである。原発性骨髄線維症に対する同種造血幹細胞移植は,骨髄の線維化が著明であるにもかかわらず,移植した造血幹細胞は生着可能であり,約30~50%に長期生存が得られる。治療関連毒性がより少ない骨髄非破壊的前治療移植に期待が集まっている。また,移植前治療へのJAK2阻害剤の組み込みが注目されている。