特集 多発性骨髄腫の臨床 ~現状と展望~
4.新規薬剤開発の現状
柴山浩彦
1
Hirohiko Shibayama
1
1大阪大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科 講師
pp.67-74
発行日 2016年12月30日
Published Date 2016/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201701067
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近年,多発性骨髄腫(MM)に対し有効な治療薬が登場し,MM患者の予後は著明に改善している。しかし,依然としてMMは不治の病であり,一旦,ある薬剤に効果を示しても,やがて抵抗性を示すようになる。これら既存の薬剤に対し抵抗性を示すようになったMM患者の生命予後は極めて不良であり,新たな治療薬の登場が待たれる。本稿では,わが国では未承認であるが,米国においてはすでに実臨床で用いられている新規プロテアソーム阻害薬のIxazomibと抗体薬のDaratumumabについて,臨床試験の成績を中心に概説する。