Derm.2022
新規診断システム開発のススメ
泉 健太郎
1
1北海道大学大学院医学研究院皮膚科学教室
pp.102
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206661
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海外留学から帰国した2020年1月より大学院生時代の研究テーマとして手がけた全長BP180ELISA法の窓口を担当している.
本邦で最多の自己免疫性水疱症である水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid:BP)はBP230やBP180に対する自己抗体により発症するため,診断・自己抗体の検出にBP230ELISAやBP180NC16A ELISAが有用である.しかし,これらのELISAでは自己抗体を検出することができない症例も存在することから,市販のELISAで陰性の結果となる症例において自己抗体を検出することを可能にする新規ELISAを開発することが大学院生時代の研究の目的であった.新規ELISAを作成するにあたり,BPの主要な自己抗原であるBP180全長リコンビナント蛋白を作成し,BP自己抗体の主要な病原エピトープであるNC16Aに対する自己抗体を含むBP180全領域に対する自己抗体を理論上検出することが可能となる全長BP180ELISA法を開発した.
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