発行日 2016年9月30日
Published Date 2016/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201610045
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肝臓がんは全世界のがん死の第4位を占める。多くはウイルス性肝炎・肝硬変を原因とするが,近年,非ウイルス性肝がんの増加がわが国を含めた世界中で問題になっている。わが国の肝がん患者の予後は,世界的に見ても非常に良い。その理由として,がんバイオマーカーと定期的な画像診断によるサーベイランスが確立されているためと考えられる。糖鎖はタンパク質の翻訳後修飾に関わる重要な生体分子の1つで,近年,臨床医学との融合研究が目覚ましい。本稿では,糖鎖バイオマーカーによる新しい肝がんのサーベイランスの可能性を追究するとともに,糖鎖バイオマーカーによる非ウイルス性肝がんの早期診断のストラテジーに関しても言及したい。