発行日 2016年9月30日
Published Date 2016/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201610053
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膵がんは早期発見が難しく,予後が最も悪い固形がんの一つである。そこで,質量分析法を用いた膵がん早期診断の血液バイオマーカーの探索を行った。血液中に循環しているC末端が切断されているアポリポプロテインA2(apolipoprotein A2:apoA2)アイソフォーム(apoA2-ATQ/AT)が膵がんで有意に減少していることを見出し,臨床応用のために新たにELISAによるapoA2-ATQ/AT測定法を開発した。ApoA2-ATQ/ATの濃度減少は,健常者から膵がん患者を見分けるだけではなく,膵がんの高リスク疾患患者をも検出することができた。ApoA2-ATQ/ATは,早期膵がん患者や膵がん高リスク疾患患者のスクリーニングのためのバイオマーカーの可能性がある。