特集 同種造血幹細胞移植の多様性:細胞ソースと血縁・非血縁
1.本邦における細胞ソース別,ドナー別にみた移植成績の比較 3)再生不良性貧血
矢部普正
1
Hiromasa Yabe
1
1東海大学医学部 再生医療科学 教授
pp.659-666
発行日 2016年4月30日
Published Date 2016/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201605043
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再生不良性貧血に対する同種造血細胞移植においては,良好な生着率と移植関連合併症が少ないことが求められる。当初,幹細胞ソースは骨髄から始まり,感染症対策として生着速度の速い末梢血幹細胞も加わったものの,末梢血幹細胞移植では大量のT細胞の混入による慢性GVHDが問題となった。その後行われた骨髄と末梢血幹細胞との比較では,骨髄の方が優れていることが明らかとなった。臍帯血は当初生着不全が多く,再生不良性貧血の幹細胞ソースとしては敬遠された時期もあったが,わが国から優れた移植成績が報告されて再び注目を集めている。