特集 成人T細胞白血病(ATL)研究の現状
序 ~HTLV-1感染症とATLの研究・診療新時代~
内丸薫
1
Kaoru Uchimaru
1
1東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科 准教授
pp.487-490
発行日 2016年3月30日
Published Date 2016/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201604017
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近年のアレイ解析技術と高速シークエンス技術の発達により,ATLにおいても,ゲノムワイドに遺伝子変異やエピゲノム異常,遺伝子発現異常などの網羅的な解析が可能になり,腫瘍細胞における異常が俯瞰的に検討されつつある。HTLV-1感染細胞の腫瘍化メカニズムの解明とともに,治療ターゲットの発見につながることが期待される。ATLに対する治療は化学療法から造血細胞移植,抗体療法などの新規薬剤の導入により新しい時代を迎えており,HTLV-1感染症に対する政策も大きな転換を迎えた。本特集では幅広い観点から,HTLV-1感染症・ATL研究の現状と今後を専門家が解説する。