けんさ質問箱
ATLにおける裸核細胞の出現
熊谷 崇
1
,
山口 一成
2
,
T生
1態本大学病院中検
2態本大学輸血部
pp.1500
発行日 1988年12月1日
Published Date 1988/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205540
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問 当院でもATLの症例を経験し,発症と思われる時期には典型的なATLのクローバー状のリンパ球を認めることができましたが,その後半年くらい経過すると,末梢血の大多数を占める細胞はみな裸核で,異型細胞でした.この裸核細胞の出現はどう考えればよいのでしょうか.(北海道・T生)
答 成人T細胞白血病(ATL)細胞は同一症例においても,症例ごとでも,細胞形態に均一性が乏しく,しかも臨床病型によっても細胞形態所見に大きな相違がみられます.急性型ATLでは核分葉傾向の強い大小不同の細胞と核影がみられるのに対して,慢性型では比較的均一な小型の細胞が主で,核は切れ込みを呈します.くすぶり型では大型の異常細胞が少数出現し,核は濃染しており,N/C比も大です(表).
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