特集 造血器腫瘍
Ⅳ 検査の実際
5.ATL
武本 重毅
1
,
田口 博國
1
Shigeki TAKEMOTO
1
,
Hirokuni TAGUCHI
1
1高知医科大学医学部第三内科
pp.1415-1418
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905250
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成人T細胞白血病(ATL)
ATLは1977年に,当時京都大学第一内科の高月らのグループにより独立した疾患として報告された1).特徴的な核の形態異常,慢性リンパ球性白血病のようでありながらT細胞であること,患者の出身地が九州であることなどからウイルス感染が原因であることが推測されていた.その後,ATLA抗体(adult T-cell leukemia virusassociated antigen)の存在2),ヒトで初めて腫瘍を起こすレトロウイルスとして発見されたヒトTリンパ球向性ウイルスⅠ型(human Tlymphotropic virus type I;HTLV-Ⅰ)の存在3)などが明らかとなっていった.また,4病型の診断基準あるいは発症後に多くみられる合併症,そしてそれらに対する治療法とその効果,さらには予後などの情報が,この25年間に蓄積されてきた.したがって,診断基準に照らし合わせながら,患者のプロフィール,臨床症状,検査などから総合的に診断を進めていくことになる(図1).
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