特集 成人T細胞白血病(ATL)研究の現状
5.マルチカラーFACSを用いたHTLV-1感染細胞腫瘍化過程の解析
小林誠一郎
1
,
内丸薫
2
Seiichiro Kobayashi
1
,
Kaoru Uchimaru
2
1東京大学医科学研究所 分子療法分野
2東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科 准教授
pp.521-530
発行日 2016年3月30日
Published Date 2016/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201604051
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HTLV-1感染細胞における腫瘍化の機序を解明するためには,初期の腫瘍化段階におけるゲノム/エピゲノム異常の解析が必要である。しかし,これらの病期(HTLV-1キャリア,低悪性度ATL)の患者血液検体中には多数のHTLV-1感染クローンが混在しており,特定のクローンを単離する技術がなかったため,それらは解明されていない。本稿のHAS-Flow 2G法(CADM1 vs CD7プロット)は,あらゆる病期のHTLV-1感染クローン分画の純化が可能であり,T細胞受容体レパトワ抗体と組み合わせて特定のクローンを単離できる。