特集 骨髄異形成症候群・骨髄増殖性腫瘍の病理診断
2.赤芽球過形成を呈する骨髄異形成症候群
茅野秀一
1
Hidekazu Kayano
1
1埼玉医科大学医学部 病理学 准教授
pp.33-39
発行日 2015年12月30日
Published Date 2015/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201601033
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赤芽球増殖を伴う骨髄性腫瘍の分類は,現WHO分類では治療関連あるいは特定の遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病群(AML)が優先され,これに該当しない場合には穿刺塗抹標本による細胞観察を前提とした骨髄芽球の比率によって分類される。赤芽球過形成を呈する骨髄異形成症候群の病理診断においては,臨床経過,検査所見を参考に多様な骨髄性腫瘍や非腫瘍性の病態を鑑別し,総合的に診断を下すことが重要である。染色体異常の重要性がこうした病態の予後因子として認識されるようになり,WHO分類アップデート版に反映される見込みとなった。