特集 骨髄異形成症候群・骨髄増殖性腫瘍の病理診断
1.環状鉄芽球を伴う骨髄異形成症候群の病理診断
谷岡書彦
1
Fumihiko Tanioka
1
1磐田市立総合病院 副病院長
pp.25-32
発行日 2015年12月30日
Published Date 2015/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201601025
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環状鉄芽球(RS)はMDS病型診断に必須の異形成所見である。骨髄穿刺クロット標本ではnaphtol ASD-Giemsa染色,鉄染色を全例に行い,RSを見落とさない工夫が必要になる。RSの確定には塗抹標本において定義に沿った細胞をカウントし,定量的に評価する。近年のシークエンス技術を使ったMDSの遺伝子解析では,RSが出現するRARS,RCMDで,高頻度にSF3B1遺伝子変異を検出し,疾患原因遺伝子として注目され,形態異常と遺伝子異常を組み合わせた新しい病型分類が提案されている。