特集 骨髄異形成症候群・骨髄増殖性腫瘍の病理診断
3.特異的染色体異常を呈する骨髄異形成症候群の病理像
藤原英世
1
,
西村広健
2
,
定平吉都
3
1川崎医科大学 病理学1 大学院生
2川崎医科大学 病理学1 講師
3川崎医科大学 病理学1 教授
pp.41-47
発行日 2015年12月30日
Published Date 2015/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201601041
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
骨髄異形成症候群(Myelodysplastic syndrome:MDS)患者の骨髄において,約半数の症例で染色体異常が検出される。5q-,-5,-7,+8,20q-などの頻度が特に多く,染色体分析が病型診断に直結するものもある。また,染色体異常はMDSの診断のみならず,国際予後予測スコアリングシステム(International Prognostic Scoring System:IPSS)における予後予測や,治療方針を決定するために,極めて重要な情報でもある。本稿では染色体異常(del(5q)および,inv(3)(q21q26.2))を伴うMDSのうち,特徴的な病理組織像を示す症例における巨核球の特徴や,パラフィン包埋切片を用いたTP53の免疫組織化学が有用であった,複雑核型を示すMDSの骨髄組織像について解説した。