特集 婦人科医が知っておくべきがん遺伝子パネル検査の基礎知識
Ⅲ.がん遺伝子パネル検査結果の取り扱いと解釈
6.Germline findingsの取り扱い
坂井 美佳
1,2
,
竹原 和宏
2
,
平沢 晃
1
M. Sakai
1,2
,
K. Takehara
2
,
A. Hirasawa
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科臨床遺伝子医療学
2四国がんセンター婦人科
pp.721-727
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001328
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
がん遺伝子パネル検査では,腫瘍の体細胞病的バリアントを検出すると同時に生殖細胞系列バリアント(germline variants)が同定されることがある(germline findings)。生殖細胞系列バリアントから得られる遺伝情報は,患者本人の治療法選択および二次がんの予防へつながり,さらに血縁者のがん予防・健康管理につなげることが可能な場合がある。生殖細胞系列バリアントは生涯変化せず,血縁者間で一部共有される情報である。また,血縁者における将来のがん発症予測が可能な場合がある。卵巣癌などの婦人科がんは他がん種と比較してgermline findingsが比較的高頻度に検出されることが知られている。生殖細胞系列バリアントの適切な取り扱いは,がん診療にかかわるすべての産婦人科医が身につけておくべき知識である。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.