Ex Laboratorio Clinico・45
C3欠損症
藤田 禎三
1
1筑波大学基礎医学系・免疫血清
pp.1037-1041
発行日 1980年9月15日
Published Date 1980/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915569
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はじめに
補体とは約20種の血清蛋白の総称で,その反応は一定の順序で進み,生体に侵入した細菌及びウイルスなどに対する防御機構に重要な役割を演じている.免疫学を専攻している友人などに"Complement is complicated"と言われるのだが,補体の世界的第一人者であるMüller Eberhard博士もある総説の中で,補体はなぜこんなに複雑なのかとよく聞かれると述べている.そんなとき彼は,どうしたらもっと簡単になるのかと逆に質問することにしていると書いている.補体が複雑だと感じる一つの理由として,補体の機能が主として精製された補体成分を用いた実験系で明らかにされたことが挙げられるのではないだろうか.しかし1970年代に,臨床医学と臨床検査の急速な進歩により数々の補体欠損症が発見され,補体の機能をより具体的に疾病の中で捕らえ直すことが可能になった.
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